PFAS汚染で生活者ネット集会

東京・生活者ネットワークは27日、杉並区西荻地域区民センターで「安全な地下水を取り戻す未来のために 〜PFAS汚染に対して私たちにできること」という集会を開きました。

明治大名誉教授(環境社会学)の寺田良一さんが基調講演したのに続き、国、東京都、各自治体の取り組みなどを、元ネット都議で立憲民主党衆院議員の大河原まさ子さんや、都議の岩永やす代さんらがそれぞれ報告。私も立川市における行政や市民、私たちネットの取り組みなどについて報告しました。

報告した内容の概要は以下の通りです。ご関心のある方はお読みいただければと思います。

【報告内容】皆さんご存知の通り、米軍横田基地からは過去に何度も「泡消火剤の漏出」がありました。防衛省が最近になって発表したところでは、2010年から12年までの間に3度漏出し、2020年にも3度漏出しています。更に東京新聞の報道で、昨年1月にあったことも明らかになりました。先日のNHKのクローズアップ現代はこの昨年1月の漏出により、264万ng/L、日本の暫定目標値の5万2800倍のPFASが検出されたと報じました。264万ng/L、もう信じられないような数字ですが、この漏出については日米双方が公表しないことで合意したとも報じられています。こうした報道に触れると、まだ明らかになっていないものが一体どれだけあるのかといった思いです。

2019年1月に1340ng/LのPFASが検出されていた、と2020年1月に報じられ、その頃から、多摩地域で動きが始まりました。立川市が把握したのは2010年ごろで、もう15年近く前ですが、前市長、何の対策も取ってきませんでした。この間、立川ネットとしては、2020年1月「原因究明を求める要請文」を市に提出。また、21年には立川ネットも関わった陳情が採択され、立川市議会が東京都へ意見書を提出しました。

さて、最近の状況ですが、「多摩地域のP F A S汚染を明らかにする会」と京都大学が2022年から23年にかけて実施した共同調査では、地下水のP F A S濃度の平均値が多摩地域で最も高かったのは立川市でした。横田基地近くでは、暫定目標値の62倍、3102ng/Lという高濃度のP F O SとP F O Aが検出されました。また、同会が行った血液検査でP F A S血中濃度が米国指針値を超えたのは、検査を受けた立川市民の74・5%にも上りました。こうしたPFAS汚染の結果、市内の飲用井戸も24本のうち、現在も取水されているのは2本しかありません。

私は、22年6月の市議選で初当選し、その後は、一般質問や委員会などでP F A S問題について質問を重ね、地下水や土壌の調査と原因究明などを求めましたが、前市長の下では「国や都の動向を注視する」と繰り返すばかりでした。

私たちネットなどが応援した酒井大史新市長が当選したことで、状況が大きく変わりました。酒井市長は就任後すぐ、P F A S庁内対策会議を発足させ、自らが率先して対応していく姿勢を明確にし、市独自の井戸水調査を始めました。昨年度は市所有の井戸9ヶ所の調査。今年度は、市が毎年水質調査を行ってきた民間の井戸19カ所について、P F A Sも調査項目に追加する予定です。

冒頭紹介したNHKクローズアップ現代では、横田基地に隣接する畑から13万ng/kgという高濃度のP F A Sが検出されたと報道されました。市内の貴重な都市農業を守る観点からも、国や東京都に対しては、早急な対策に加え、自治体への支援策や予算措置を求めていきたいと思っています。