多民族・多文化共生社会の実現を目指して

国際的な平和構築や紛争予防のため、アフガニスタンなどを舞台に国連で活躍されてきた東京外国語大教授・伊勢崎賢治さんと、NPO法人「移住者と連帯する全国ネットワーク」代表理事・鳥井一平さんらのトークライブが26日、国分寺であり、坂下かすみ立川・生活者ネットワーク代表と一緒にお話を聞いてきました。(写真左端が伊勢崎さん、真ん中が鳥井さん。トークの合間にトランペットなどの演奏も)

技能実習生ら外国人労働者の問題に長く取り組んできた鳥井さんは、「日本は外国人労働者がいなければもう立ち行かないのに、地球上どこを探してもこれほど外国人の移民を受け入れない社会はない」と指摘。移民を受け入れ「(外国人)労働者を使い捨てにしない多民族・多文化共生社会」にしていくべきだと強調しました。「移民の人たちとどう暮らしていくのかということが(日本の)戦後民主主義を深める一つの道筋だ」ともお話しされました。

安全保障などが専門の伊勢崎さんも、フィンランドやスウェーデンなど「人権大国」の第2次世界大戦後の歩みを紹介し、「人権大国になることは日本の安全保障、国防力を高めることにもなる」として、難民や移民の積極的な受け入れや在留外国人との交流、国籍とは無関係に人権を尊重・擁護することの大切さを訴えました。

少子高齢化や地方の過疎化が加速する日本で、農業でも、水産業でも、製造業でも、旅館業でも、もはや外国人労働者なしで経営を続けることは不可能です。現在の入国管理制度などは、外国人労働者を日本に定住させないことを前提に組み立てられていますが、鳥井さんのお話では、労働力不足などに悩む地方からは「日本に定住してもらえる制度にしてもらいたい」という切実な声が出ているそうです。お話を聞きながら、外国人労働者の方たちの人権もしっかり守りながら、共に協力し、助け合いながら生活していくことの大切さを改めて認識しました。

立川でも、ネパールなど多くの外国の方たちがコンビニなどで働いています。「定住支援策は地域社会との連携なしにはやっていけない」。鳥井さんのこの言葉をしっかり受け止め、外国の方たちが定住できる、そして定住したいと思う社会となるように、少しずつでも活動していけたらと思います。目指すのは、在日コリアンの方たちも含めた外国人や外国出身者、外国籍の方の人権がきちんと尊重され、大事にされる多民族・多文化共生社会です。皆さん、一緒にそんな立川をつくっていきましょう。