足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ(足温ネット)視察 12月14日

東京・生活者ネットワーク政策委員環境部会メンバーで12月14日、江戸川区にあるNPO法人「足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ」足温ネット)に伺い、江戸川区の再生可能エネルギー問題への取り組みについて、奈良由貴代表や山崎求博事務局長からお話をお聞きしました。以下、お話の概略をご報告します。

江戸川区は2023年2月に都内で初めて「カーボン・マイナス都市宣言」をした自治体で、2018年3月、地域新電力会社設立を検討課題とした「第2次エコタウンえどがわ推進計画」を策定。それから7年間かかったものの今月15日、地元信用金庫など民間企業と共同出資で、電力の地産地消などを目指したエネルギー会社「 江戸川電力株式会社」江戸電)を設立しました。
脱炭素・脱原発社会を目指して市民発電プロジェクトなどに取り組んできた足温ネットは、長年の実践活動を通じて得た知見や人脈に加え、環境エネルギー政策研究所(isep)との関係も評価され、この江戸電計画に共同提案者として参画。明治末期から大正にかけてこの地域にあった「江戸川電気」についての情報提供や、町内会・自治会主催の地域脱炭素勉強会の企画運営、サウンディング調査などを担ったそうです。
江戸電は太陽光発電と省エネ事業が2本柱で、太陽光発電は初期費用、維持管理費が不要の「PPA(電力購入契約)モデル」。江戸電が戸建て住宅の屋根などに太陽光パネルを無料で設置し、その電気を住民が使う方式です。従来より電気を安く供給でき、試算では各家庭が支払う年間の電気料金も従来より低減されるとのことです。また、省エネ事業では省エネ改修により設備工事関係の雇用創出も期待されています。
何もしなければ電気料金として34万世帯で約376億円が区外に流出するという地域経済の問題も、山崎事務局長は指摘していました。江戸電は当面、5年間で800軒超への太陽光パネル設置を目指すということですが、課題として①太陽光発電PPA事業に対する地域住民の理解拡大②住民の死亡や相続、建て替えなどの際のリスク対応③運用・管理の煩雑さーなどを挙げられ、地域住民に仕組みやメリットを説明する相談会や勉強会をこまめに開催していくなどのお話もありました。

立川・生活者ネットワークでも、脱炭素・脱原発は重要な政策の一つです。エネルギー政策を国に任せるだけでなく、自治体で、地域でできることを考え提案していきます。

【足温ネットとは】(資料より引用)
〜立ち上げの経緯〜
江戸川・生活者ネットワークのある市民共同事務所に集る人たちが、国連「気候変動枠組み条約」第3回締約国会議(COP3)の日本開催にあたり、江戸川区で市民が取り組める気候変動対策を実践しようと立ち上げ
〜主な活動〜
 ・再生可能エネルギー発電所の建設・運営
 ・再エネ家電買い替えサポート&節電所づくり
 ・オフグリットハウス「松江の家」
 ・子どもの権利✖️気候変動プロジェクト