女性総合センター30周年 立川市内の土地利用規制法 年号表記 3月議会で一般質問

立川市議会第1回定例会(3月議会)が2月19日から始まり、私は28日の本会議で一般質問に立ちました。一人当たりの持ち時間は、市側の答弁部分も含めて1時間。今回は①30周年を迎える女性総合センター・アイムの存在意義を改めて考える。②土地利用規制法に基づく立川市内の区域指定③市の文書等における年号表記ーの3点について質問しました。

以下、私の発言した内容(質問などを除いた抜粋)を掲載します。かなりの長文になりますが、お読みいただければ幸いです。2番目のテーマの土地利用規制法についてはご存じない方も多いと思いますが、大事な問題です。ご関心をお寄せいただければと思います。

1、女性総合センターアイム
今年10月に設立30周年を迎える女性総合センターアイム。その設立の出発点は、今から46年前の1978年、立川市内で活動する女性グループが一堂に会した集会でした。そこで「女性たちの活動の拠点がほしい」との声が各方面から寄せられたそうです。婦人意識実態調査や「立川市婦人問題懇談会」の設置を経て、1987年度の「立川市婦人行動計画」に「消費生活センター機能」を備えた女性の活動の拠点「女性総合センター」を設置すると明記され、1994年アイムが誕生しました。私もこの一般質問をするに当たり機関誌「アイム」を創刊号から読ませていただきました。その中には、女性議会を開いたり、「個人情報保護法」に関する講演会を開催したり、東日本大震災後のくらしフェスタでは「放射能災害による健康への影響と長期的課題」という講演会を開いたりと、多岐にわたる勉強会などが実施されてきたことがよく分かりました。市民の手で立川市をより良くしていこうという意気込み、熱い思いも強く感じとることができました。

まず、このアイムという名称ですが、「アイムグラッド トゥシーユー」(あなたにあえてうれしい)という言葉から「アイム」と名付けられたそうです。多くの方々が関わり、立川市の活動拠点となったアイムが「宝箱」というのもなるほど、という思いです。ただ残念ながら、最近のアイムの活用については、使いづらいなど、いろんなご意見が出ているところです。

【利用の手引き】「女性総合センター利用の手引き」の中の「施設利用にあたって」に、「利用登録した団体に所属しない、不特定多数のメンバーで使用することは、原則できません」と書かれています。さらに2023年9月13日付の説明文があり、「会議室・学習室を使用し、活動できるのは、原則、女性総合センター登録団体の、構成員での活動の場合です」「イベントなどの活動の場合は(中略)使用できません」とあります。手引きと説明文の規定に則れば、例えば「男女平等参画社会の推進や啓発」を目的に、市民に広く参加を呼びかける講演会等を、登録団体が独自に企画しても、ホールを除いて、アイムでは開催できないということになります。「利用の手引き」の改訂が必要と考えます。市民に広く開かれた形で講演会等を開催することが認められないのであれば、それはアイムの設置目的自体を否定するものであり、男女平等参画条例、立川市女性総合センター条例の趣旨や精神にも反するものだと思います。

 【講師選定指針】2019年6月1日に出された講師選定指針があります。市が自ら企画し、運営もこなす講演会等の講師選定指針というのなら、分かりますが、市の主催や共催だというだけで、あるいは財政支出があるというだけで、市がこの指針を基に、市民による主体的な取り組みを否定し、介入するのは、いかがなものでしょうか。市民の参画を推進する観点からも、市民の主体的な取り組みを市が支援することが大変重要なことだと思います。講師選定指針の適用対象や、運用を見直すべきだと考えます。

【利用の手引き再び】立川市第4次長期総合計画でも「男女平等参画に関する意識啓発」「消費生活の向上」では、現状と課題について、地域や関連機関と消費者団体が連携して、講座や講演会を実施することが求められている、と書いてあります。アイムの設置目的や、目当てを改めて考え、手引きや運営方法等について、市と市民が共に検討・見直す場を設けてほしいと思います。今年は30周年ということで、ワークショップなどを開いてはどうでしょうか。30年前の、アイムが設置された当時を振り返り、何のための施設なのか、ぜひ市民と共に考える機会を持っていただくよう要望いたします。

2、土地利用規制法(重要土地等調査法)に基づく立川市の区域指定
政府は「重要土地等調査法」と呼んでいますが、土地利用規制法は2021年6月に審議が十分尽くされないまま、強行採決され、22年9月に全面施行されました。米軍基地や自衛隊基地など安全保障上重要な施設などの周囲約1キロを「注視区域」や「特別注視区域」に指定し、政府が区域内の土地・建物の利用者や、利用状況を調査したり、施設の機能を妨害する恐れがある、行為の中止を命令したりする法律です。特別注視区域内では、一定面積(現在は200平米)以上の土地等を売買する場合の、事前の届け出も義務化されました。

政府はこの法律などに基づき、これまでに3回計399カ所を注視区域もしくは特別注視区域に指定し、昨年12月には4回目の指定候補地として計184カ所を発表しました。合計すると全国で583カ所が指定されることになりますが、今回の候補地には、北海道の泊原発や青森県六ケ所村、横須賀基地や佐世保基地、沖縄では米軍の普天間飛行場の周辺などが列挙されています。本市の陸上自衛隊の立川駐屯地と東立川駐屯地の周辺、米軍横田基地の周辺も候補地となっています。

東京弁護士会は、この法律が憲法違反だとして速やかな廃止を求める意見書を公表しています。立川市民からも不安の声があり、私たち会派「立憲ネット緑たちかわ」では先般、市長に要望書を提出しました。要望項目は2つ。1つは、市民の間に不安や懸念があることを政府提出意見に反映させてほしい。もう1つは指定区域及びその周辺の住民や企業に対し、国が十分な説明を行うよう要望してほしいということでした。

この法律はもともと、自衛隊施設周辺の土地を外国資本が買収する事例が発生し、それにより基地機能が阻害される恐れがある-などの懸念が出発点でした。そのため法律の目的にも、安全保障上重要な施設や国境離島などの機能を維持するため、その機能を阻害する恐れのある行為や土地利用等を防ぐこと等が掲げられています。しかし、法案審議の段階で防衛省も「防衛施設周辺の土地所有者によって自衛隊や米軍の運用に具体的な支障が生じる事態は確認されていない」と答弁しています。長崎県の対馬や北海道千歳市で外国資本による不自然な土地買収が行われているなどと言われましたが、結局、安全保障上の懸念をもたらすような事例はなかったそうです。つまり「外国の脅威」などの観点からは、こうした法律の必要性を基礎づける事実、立法事実はないということです。

これから脅威が生じるかもしれないとの懸念もあるかもしれませんが、仮に今後、外国資本などが 悪いたくらみを持って土地や建物を購入しようとしたとしても、この法律でその売買を止めることはできません。事前の届け出が必要だというだけで、外国資本による土地の取得自体を規制しておらず、禁止もしていないからです。国政の中枢にいた元与党幹部の方も、外国勢力による土地等買収の阻止には全く役に立たない法律だ、と指摘しています。

その一方、この法律には、さまざま罰則が設けられています。例えば、中止命令の対象となる「機能阻害行為」は、閣議決定された基本方針で一部が例示されているだけで、何が機能阻害行為に当たるのか、不明確なままです。言い換えると、何をしたら罰せられるのか分からないのに、刑罰だけが決まっている。そのため「罪刑法定主義」にも反するとの批判も出ています。また、売買の際に事前届け出が必要となる特別注視区域では、地価下落や不動産取引の停滞も懸念されています。

この土地利用規制法は、かつての砂川闘争のような非暴力・不服従の抵抗の術(すべ)を市民から奪うことにもなり得る法律だと思います。与党の国対委員長も務めたある弁護士の方が法律の制定前に、ご自身のHPでこの土地利用規制法に対する批判をされています。注視区域における土地利用者の調査について「法的に無意味であるだけでなく有害である」「善良な市民にとっては調査の対象とされ、監視されることは、理由のない圧力となる」「調査の対象が際限なく広がり、思想・良心の自由、信教の自由、集会結社及び言論、出版その他表現の自由を保障した基本的人権を侵害しかねない」と指摘。「一定の区域に住んでいるだけで、国家からの故無き調査を強いられること自体、実害と考える」とも主張されています。法律成立後に、閣議決定された基本方針には「日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に制限することのないよう留意する」と書かれていますが、戦前・戦中の治安維持法が、改正などを経て拡大運用され、何の罪もない市民を次々と逮捕・投獄するための道具となった歴史を、私たちは忘れてはなりません。

この法律の運用に当たっては、市も住民基本台帳の情報提供などで国の調査に協力していくことになるわけですが、その際、プライバシーや表現の自由など基本的人権の侵害や不当な制限は絶対にあってはなりません。そうした思いを共有して職務に当たっていただきたいと思います。また、私たち市民や市議会も、拡大運用や目的外の情報収集などが行われないよう、厳しく監視していく必要があると思います。

最後になりますが、この区域指定が施行されますと、横田基地周辺の西砂地域などは特別注視区域となり、そこでの土地や建物の売買は事前の届け出が義務づけられ、届け出を怠ると6カ月以下の懲役、もしくは100万円以下の罰金に処せられることになります。私自身はこの法律は廃止するべきだと考えていますが、現に法律がある以上、この届け出義務などについて市民の皆さんにお知らせし、知らなかったために懲役刑や罰金刑を受けるなどということのないよう、周知を図る必要があると考えます。「新しい戦前」という言葉を昨今、耳にしますが、この法律が新たな治安維持法とならないよう、しっかり監視をしていきたいと思います。

3、誰にでもわかりやすい年号表記の徹底を!
昨年10月の決算特別委員会で、市役所で作成される文書における年号表記についてお聞きし、酒井市長からは「和暦と西暦、両方を表記するということが、より親和性の高い立川市政と感じてもらえる」との答弁をいただき、今後は和暦と西暦を併記していただけるものと期待していました。ところが新年度予算案などにおいても和暦での表記しかなく、長期計画関係の文書でも併記されていないものも見受けられます。
5年前になりますが、ある全国世論調査で「普段の生活や仕事で和暦と西暦のどちらを主に使いたいか」という質問に対し、若年層では「西暦だけ」が44・6%、「西暦と和暦併記」が42・2%だったそうです。また、立川市でも外国にルーツを持つ市民も増えています。ニュースなど日常では西暦が浸透する中、市民生活に欠かせない、市の発信する文書やホームページが和暦中心では、今の時代、馴染まないのではないでしょうか。

同じ東京都内の町田市では、30年以上前の1990年から「特に定めがない場合は西暦のみの表記」で統一されています。町田市の文書管理規定にもそう明記されています。町田市で何の問題もなくできているのであれば、本市でもできるのではないかと考えます。本市でもホームページの更新日は西暦のみですが、本文を見ると和暦のみや和暦と西暦併記など整合性がなく統一感がありません。和暦を残すとしても、必ず西暦を併記するようにしていただきたいと思います。また、議会でのご答弁の際も、西暦での質問に対する答弁は西暦で返していただきたいと思います。

立川市でも年号表記に関しては「立川市個別計画策定ためのガイドライン」がありますが、町田市のように本市でも「立川市文書規程」に明記してほしい。公文書ですので、誰にでもわかりやすくすることを第一に考えていただきたいと最後に申し上げまして、私からの一般質問を終わります。