「戦争は最大の人権侵害」 市民連合フォーラムに参加
「東京21区市民連合連絡会」主催の「第2回政策フォーラム」が、立川市女性総合センター・アイムで開かれ、私もパネラーの一人として参加させていただきました。テーマは「平和と安全保障」。野党各党を代表する4人の方々、立憲民主党・大河原まさ子衆院議員、緑の党の山本洋輔・立川市議、共産党・清水とし子都議、社民党都連幹事長の伊地智恭子・多摩市議とご一緒させていただきました。
冒頭、各党が8分間で政策などを発表。私からは生活者ネットワークの活動方針や立川での取り組み、私自身の思いを紹介させていただきました。参加された市民の方たちから多くの質問もいただき、充実したフォーラムでした。企画していただいた市民連合の皆さんに感謝いたします。
政策発表で私が話した内容は下記の通りです。少し長文ですが、ぜひご覧ください。
【政策発表での発言】
私の所属する、東京・生活者ネットワークは、約50年前に生活クラブ生協の組合員が中心となり発足させた地域政党です。「政治は暮らしの道具」というスローガンを掲げ、生活者の声を都政や市政に届ける、生活者の思いを実現させる、そうしたことを目的に自治体議会へ女性たちを送り出してきました。現在は都議会議員を含む40人の議員が29の自治体で活動しています。
さて、本題の「平和と安全保障」ですが、生活者ネットワークは①日本国憲法を活かし、戦争をしない平和な社会を次世代に引き継いでいく②軍事ではなく生活優先の政治を求めるーといった立場から、各地でさまざまな取り組みをしてきています。先月の定期大会で決定した2年間の活動方針では「戦争は最大の人権侵害であり環境破壊」だとし「平和と核兵器の廃絶を今こそ訴えていかなければならない」としています。
ここ立川では、
陸上自衛隊オスプレイの立川飛行場への飛来訓練への反対
・砂川学習館の砂川闘争に関する資料コーナー存続に向けた活動
・土地利用規制法に基づく区域指定への反対
・憲法9条や「戦争と平和」を考える映画会や講演会でのお手伝い
・米軍オスプレイの運用停止を目指した酒井市長への申し入れ
―などに取り組んできました。
土地利用規制法に関しては、昨日、自衛隊立川駐屯地と東立川駐屯地の周辺が注視区域に、米軍横田基地の周辺が特別注視区域に指定されました。私の住まいも注視区域の中ですが、5月15日の施行後、区域内の土地や建物の利用者は政府による調査の対象となります。基地周辺のデモや集会、学習会さえも「基地の機能阻害行為」とみなされれば中止命令を受けることになります。
横田基地が汚染源とみられるPFASの地下水汚染の問題についても、「PFAS汚染を明らかにする立川市民の会」の皆さんや市議会会派「立憲ネット緑たちかわ」の仲間、そして共産党市議団の皆さんと共に取り組んでいます。PFAS問題については今月10日、米国がPFOA、PFOSそれぞれについて1リットル当たり4ナノグラムを飲料水の規制値に決定しました。日本ではPFOAとPFOSの合計で1リットル当たり50ナノグラムが暫定目標値です。日本でも厳しい規制値を定めてもらいたいと思いますし、原因を特定し、汚染拡大を防ぐためにも横田基地への立ち入り調査を早急にやっていただきたいと思います。
PFAS問題は、日米安保条約や日米地位協定に基づく在日米軍の存在そのものが、日々、私たちの命と健康、暮らしと生活を脅かしていることを、明らかにしています。国会では自民党や維新を中心に憲法改正をするべきだと議論されていますが、改正議論をするべきは憲法ではなく、日米安保条約や日米地位協定だと思います。また、憲法については条文と現実との乖離がよく言われますが、必要なのは憲法を現状に合わせるのではなく、憲法の掲げる理念や精神に現実を近づけていく努力だと思います。
政策や取り組みに戻りますが、私個人の取り組みとしては、FBやHPなどSNSを通じて、憲法を活かすことの必要性や、防衛費倍増や敵基地攻撃能力への反対、核兵器禁止条約への参加、ウクライナ戦争の即時停戦などを訴えてまいりました。
また、平和な社会を維持するために不可欠な「表現の自由」や「思想・良心の自由」を守る活動をしている「市民活動を考える会」の皆さんとも連携を取らせていただいています。
生活者ネットの政策などはとりあえず以上ですが、最後に私の現状認識や考えなどをお話ししたいと思います。
集団的自衛権の行使解禁を柱とした安倍政権下での新安保法制によって、「戦争ができる国」路線が一気に加速しています。米国製兵器の大量購入や、日米の軍事的一体化、武器輸出、兵器の国際共同開発、南西諸島へのミサイル配備、ミサイル攻撃を前提としたシェルターの建設や避難訓練、対中国を念頭に置いたイギリス、オーストラリア、フィリピンなど各国との軍事協定の締結など、戦争を前提にした動きがどんどん進んでいます。タモリさんの言った「新しい戦前」を本当に実感させるような動きです。
先日、ワシントンで日米首脳会談がありましたが、横田基地にある「在日米軍司令部」の機能強化が言われています。現在でも日米の「共同統合運用調整所」というものが横田基地には設置されています。台湾有事でも、朝鮮半島有事でも、戦争が本当に起きてしまったら、日本も戦争に巻き込まれる可能性が高いと思います。そうなれば、横田基地はどこよりも先に他国からのミサイル攻撃で狙われる場所だろうとも思います。戦争と平和の問題は、多摩地域の市民、東京都民にとっては、まさに自分たち自身の問題だと思います。狭い国土に原発が多数立地する日本は、そもそも戦争なんてできないはずです。何としても戦争が起こらないようにすることが大切です。「だから抑止力、防衛力強化が必要なんだ」と政府は言うのかもしれませんが、今現実に起こっていることは国際的緊張の高まりと軍拡競争だと思います。
日本は、既に1千兆円もの借金がある人口減少社会ですし、首都直下地震や富士山の噴火に見舞われるかもしれません。災害大国でもある日本が、中国に対抗しての軍拡競争など続けられるわけもありません。緊張緩和・平和共存へと国際情勢を変えるための外交努力が何より大切なわけですが、今の岸田政権はそれとは逆の方向に行っているように思えます。
一昨日の岸田首相の米議会演説では、まるで日本が世界中のどこででも米国と一緒に戦争をすると宣言しているかのようでした。こうした流れをどう変えさせることができるのか。どうすれば防衛費倍増をやめさせ、子ども施策の拡充や福祉政策の充実に振り向けさせることができるのか。皆さんと一緒に考えていければと思っています。