一般社団法人 ”人間と性”教育研究協議会主催の第45回全国夏期セミナー長野大会in松本が、8月1、2の両日、長野県松本市で開催されました。私は他の予定もあり、現地には伺えませんでしたが、オンラインで参加しました。
テーマは
「包括的性教育をだれもが学ぶために
ー分断や排除を超えて、『個人の尊厳』を保障する地域へー」
セミナーでは、包括的性教育は「単に性的行動や妊娠を教える教育」という誤解もあるが、実際は人間関係や自分の身体・性を肯定的に捉えること、人権を保障することに重点を置く学びであることが、強調されました。埼玉大学ダイバーシティ推進センター准教授の渡辺大輔先生らがお話されましたが、特に重要なポイントは「自分は大切にされる権利を持っている。その権利を周囲や社会が保障しなければならない」という考えを身につけるために、就学前から高校生まで学びを段階的に積み重ねていく必要があり、一般的に小中学校で行われている「一度きりの性教育」とは大きく異なるという点です。
例えば、①家族の形では、両親と暮らす家庭 、ひとり親家庭 、再婚家庭 、同性カップルが子どもを育てる家庭など、異なる家族の形があり尊重することを身につけることが大事②プライベートゾーン教育では、水着で隠れる部分や口、顔などの大切な場所を他人に見せたり触らせたりしないという、「禁止型教育」ではなく、「あなたには自分の身体に誰がどう触れるかを決める権利がある」と教える「権利保障型教育」への転換ーなどの紹介がありました。
ジェンダーバイアスに関する話の中では、就学前の子どもがランドセルの色を選ぶ実際(ノンフィクション)の動画がシェアされ、「親が選んでほしいと思っていそうな色」を子どもがまず選ぶのですが、親が無意識にジェンダー規範を押しつけている可能性があることを表していて、自分もそうだったかもしれないなとショックでした。「男の子だから」「女の子だから」という枠から外れて好きなものを選んでも、いじめられない社会をつくることが大事だという指摘には、本当にそうだなと思いました。
講演のメッセージとしては①包括的性教育とは、子どもに性に関する知識を与えるだけの教育ではなく、自分と他者の身体・性・生き方に関する権利を知り、その権利を行使し、他者の権利を尊重し、必要なら社会を変えていく力を育てる人権教育である②従来の「自分を大切にしましょう」から「あなたには大切にされる権利があります」へ、「被害に遭わないよう気をつけましょう」から「権利を侵害する側が悪く、権利侵害を許さない環境を社会全体でつくりましょう」へと大人も意識の転換を図っていく必要があるーということ。とても重要な視点を教えていただきました。
●7月1日 次期学習指導要領改訂に向け、公教育への「包括的性教育」の導入を求め、東京・生活者ネットワークは「全国市民ネットワーク」メンバーとして、文科省やこども家庭庁の職員に要請書を手渡しました。

