改憲ではなく、憲法を生かす
5月3日は憲法記念日。1947年に日本国憲法が施行されて、ちょうど75年になりました。
今では当たり前に思われている男女平等、男女同権ですが、明治憲法(大日本帝国憲法)下の日本では、女性は家や男性の付属物のような存在でしかなく、75年前に施行された日本国憲法において初めて男女平等、男女同権が記されました。女性にとっては「新しい日本」の幕開けだったと思います。憲法制定に先立つ選挙法改正で、女性は選挙権・被選挙権を得ましたが、戦前の日本では選挙権などがないだけでなく、1922年の治安警察法改正まで政治集会に参加することさえできませんでした。平塚雷鳥や市川房枝さんたちの努力があって女性参政権などが実現しました。せっかく手にした権利を守り、有効に活用し、「権利の上に眠る」ことないようしていきたいと思います。
上記の通り、日本国憲法によって一応、女性は男性と対等になったのですが、でも実際はどうでしょう。まだ日本社会では、性別役割分担意識が強く、家事や育児を一人で担うワンオペを強いられていたりしている人も多いのではないかと思います。そして人口の半分以上は女性なのに、政治の世界では女性はまだまだ少数です。衆議院ではわずか1割。ここ立川市議会でも女性は全議員の4分の1の7人しかいません。日本国憲法の理念は、施行から75年たった今も十分に実現していないといえます。憲法記念日に当たり、私は実質的な男女同権の実現、女性の政治参画の拡大、女性支援策の拡充を改めて訴えていきたいです。
また、憲法25条は「生存権」をうたい、全ての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有するとしていますが、実際には「格差拡大」や雇い止めなどにより、日々の暮らしに困り、最低限度の生活すら営めない方たちもいます。家族の介護に追われ、社会から孤立したり、追い詰められてしまう人たちもいます。学校でいじめにあって自死を選んだり、親や家族からの虐待に苦しんだりする子どもたちもいます。ケアラー支援条例や子どもの権利条例の制定、社会福祉政策の充実・強化などによって、誰一人取り残されず、幸せな生活を送れる社会になるよう頑張っていきます。
今の日本にとって必要なのは改憲でなく、今の憲法を生かすこと、その理念を実現することだと思います。敵基地攻撃能力の保持や9条改正など「戦争のできる国」「戦争をする国」に向かう動きには断固反対です。75年前の憲法施行に併せ、『新しい憲法 明るい生活』という小冊子が発行され、約2000万部が町内会や家庭に配布されたそうです。これは政府・憲法普及会が編纂したものですが、「『戦争をしない』という大きな理想をかかげ(中略)『戦争のない世界』をつくり上げるために、あらゆる努力を捧げよう」と書かれています。これこそ今の日本に必要なことで、ウクライナ問題も戦争を続けるための支援ではなく、終結のための努力こそが求められています。