沖縄の基地問題と平和を考える 砂川しみんゼミ、元山仁士郎さんらと

右は元山仁士郎さん、左は西原和久・成城大名誉教授

7月2日(土)は「砂川平和ひろば」が開催した「砂川平和しみんゼミナール」に参加しました。今回のゲストスピーカーは、沖縄復帰50年の5月15日を前に「沖縄の基地負担の現状は(50年前と)変わっていない」と抗議のハンガーストライキを決行した一橋大大学院生・元山仁士郎さん。沖縄の基地問題や平和、民主主義などについて参加者の皆さんと一緒に考えることができました。

沖縄出身の元山さんは2018年、住民投票によって沖縄県民に新基地建設の是非を直接問おうと「県民投票の会」を設立。県民投票は会の署名運動や元山さんのハンガーストライキの結果、19年2月に県内全市が参加する形で実現し、72%が新基地建設に反対の意思を示しました。ところが、民意が明確に示されたにもかかわらず、政府は建設(埋め立て)工事を続けています。今年5月の元山さんの2回目のハンガーストライキは、新基地建設を強行し続ける政府に対する抗議の意思表示でもありました。

しみんゼミでのお話で、元山さんは、県民投票には①沖縄全体での議論を促進②若者や市民の政治参加の機会創出ーなどの成果があったとする一方、「日本は民主主義国だと言われるが、民主主義を皆さんが本当に大事に思っているのか、県民投票をやって疑問に思った。県民投票をやっても翌日には土砂が投入された。本当に民主主義が大事で、政府が声(民意)を聞かないのは許さないという人が多ければ、もっと(政府批判や議論が)盛り上がっていたはずだ」と指摘しました。私も当時そのニュースを見て、民意がこれほど届かないのかと落胆したのを覚えています。

元山さんからは、沖縄以外の人たちに対し「住んでいる市町村で、県民投票結果の尊重や遺骨土砂問題を取り上げた意見書の採択を」という呼びかけもありました。立川市では『辺野古新基地建設の中止と、普天間基地の沖縄県外・国外移転について国民的議論を行い、憲法に基づき公正かつ民主的に解決するべきとする意見書の採択を求める陳情』が出されましたが昨年12月、不採択になっています。

私は沖縄の民意を踏みにじる新基地建設には大反対です。太平洋戦争末期の沖縄戦で亡くなった方たちの遺骨が混じっている土砂を、辺野古埋め立てに使うんなんてとんでもないと思っています。この問題では、同じ思いの市民の皆さんと力を合わせ、意見書採択に向けてしっかり頑張っていきます。

 ※砂川しみんゼミナールは、「基地問題を考えて平和と共生の実現をめざす」として昨年5月にスタート、原則月2回開かれているオープンな勉強会です。コーディネーターは、平和学や国際社会学が専門の西原和久・成城大名誉教授。「砂川平和ひろば」は、砂川闘争の〝闘士〟の一人、故・宮岡政雄さんの次女、福島京子さんが主宰する立川市社会教育関係団体です。

 勉強会は原則、第1と第3の土曜日午後2時から3時半まで。これまで砂川闘争のほか、沖縄の基地問題、日米地位協定、東アジア共同体、伊達判決などをテーマに学習。今回の元山さんの他にも、約60年前の砂川事件の当事者で、現在も東京地裁で裁判中の砂川事件国賠請求訴訟の原告・土屋源太郎さんや、角川新書『横田空域』の筆者・吉田敏浩さんら、多くの方がゲストスピーカーとして参加しています。