オスプレイ飛来は危険 12月議会の一般質問

 立川市議会の12月議会(第4回定例会)が11月29日に始まりました。補正予算案の審議を経て、一般質問がスタート。私の一般質問は日程が前倒しになり、今日12月2日に行いました。一般質問で取り上げた7項目のうち、オスプレイの陸上自衛隊立川駐屯地への飛来と、重要土地利用規制法について、私の主張をご紹介したいと思います。

【オスプレイの陸自立川駐屯地への飛来】

※オスプレイの立川駐屯地への飛来・訓練については11月7日、市のHPで発表されました。来年1月以降、月数回程度、千葉県の木更津駐屯地から飛来し、訓練をするそうです。以下が質問概要です。

 陸上自衛隊木更津駐屯地に暫定配備されている陸自V22オスプレイが、来年1月から立川駐屯地に飛来するということですが、オスプレイは開発段階で4回も墜落し、計30人が死亡するなど、幾度もの事故で多くの死傷者を出している輸送機です。機体は構造的な欠陥が指摘され、日本国内でも6年前、米軍のオスプレイが沖縄県名護市の沖合に不時着して大破する事故を起こしています。海外でも今年6月に米カリフォルニア州で5人が死亡する墜落事故がありました。相次ぐ事故を受けて米空軍が今年8月、3週間近くにわたり空軍のオスプレイ全機を飛行停止にしたのはご存じの通りです。

そのような輸送機が、人口の密集した市街地の中にある飛行場に離発着する。市長は先般「訓練の是非については意見を申し述べる立場にはない」と答弁されましたが、市民の安心・安全を守ることが行政の最大の責務だと思います。構造的欠陥があり、危険な輸送機が離発着することの危険性についてどう認識しているでしょうか?

オスプレイの飛来については、市や市民への経済的な損失でも見過ごせないものがあると考えます。オスプレイの飛来する危険な街だということになれば、若い人たちが移り住み、子育てをしたいと思うでしょうか。現在の市民にとっても大きな経済的マイナスだと思います。墜落事故の可能性も否定できないとなれば、自分の住んでいる住宅やマンションの価値や価格も下がってしまうのではないでしょうか。

立川飛行場周辺では現在でも、ヘリによる騒音に悩まされている近隣住民の方々がいます。豊かな自然で人気がある国営昭和記念公園でも「離発着するへりの音がうるさくて、せっかくの自然が台無しだ」という来園者の声を聞きます。市民の財産、市の繁栄を守る観点からもオスプレイの飛来には反対するべきです。

オスプレイは、トラブルでエンジンが停止した場合、安全に着陸する機能を持たないと言われています。制御不能になったオスプレイによって大規模な事故が起きる可能性も否定できません。立川飛行場の滑走路は900mで、そもそもオスプレイの運行には不十分な長さだとの指摘もあります。市民の命と生活、安心・安全を最優先に考え、市として防衛省に対し計画の中止を求めるべきだと考えます。市民に対して少なくとも、計画について詳細に説明し、市民と話し合う場を設けるよう、防衛省に強く求めるべきだと考えます。

【重要土地利用規制法】

「重要土地利用規制法」が9月に全面施行されました。自衛隊基地や米軍基地など安全保障上重要な施設の周辺や離島などを政府が指定し、指定区域内の土地所有者や利用実態などを調査、同時に土地利用などを規制する法律です。10月に「特別注視区域」や「注視区域」の候補地計58カ所が発表されました。指定区域は最終的には全国で数百カ所に上る見通しで、立川市内の自衛隊施設周辺地域もいずれ指定されるだろうと指摘されています。

土地所有者等の調査対象は思想信条や友人関係にまで及ぶ恐れもあり、プライバシーを侵害するとの指摘が出ています。施設の機能を妨害する行為などに対し、政府が中止を勧告したり、命令したりできるようになるため、市民活動が規制され、「表現の自由」や「集会の自由」などの基本的人権が侵害されるのではないか、市民が萎縮したり自己規制してしまったりするのではないかと懸念も出ています。

特別注視区域に指定されると、一定面積以上の土地売買に対する事前の届け出が義務付けられ、財産権が侵害されるとの指摘もあります。東京弁護士会からは違憲立法だとして廃止を求める意見書も発表されているほか、新聞の論説では「安全保障の名目の下に市民の行動を監視下に置くのが狙いではないか。市民活動の自由を奪う国家監視の強化は認められない」との主張も展開されています。

区域指定に当たり、政府は自治体から意見聴取をすることになっていますが、政府の恣意的な適用などによって、「表現の自由」などの市民の権利や自由に不当に制約されることのないよう、市長には意見聴取等の場においても、きちんと対応していただきたいと思います。